1円玉,5円玉,10円玉を使ってN円をぴったり支払う方法のq-母関数
非負整数の集合をとかく.
1円玉,5円玉,10円玉を使って円をぴったり支払う方法の数とは,集合
の要素数である.
以前の記事
(1円玉,5円玉,10円玉を使ってN円をぴったり支払う方法の数 - 数学の命題示しました)
では,非負整数が,非負整数とを用いて
とかけるとき,であることを示した.
本記事ではこの集合について単なる要素数より詳しい下式を証明する.
定理
は非負整数とし,とする.集合を
と定める.このとき
が成立する.
補足
右辺はには依存しない.
とすると,以前証明した式に戻る.
証明
まず,任意の非負整数に対して,との間には
という全単射がとれる.
だから,証明はに対して行えばよい.
第一象限の点の集合
を考える.これは
とかける.
また,第一象限の点の集合
も考える.
集合から集合への全単射
であって,
を満たすものを作れば証明が完了する.
以下,そのような全単射を作る.
の例で全単射を説明する.
集合と集合を図示すると以下の図 (上)のようになる.
集合から集合への全単射は図の (下)のように作る.
すなわち,集合において直線の上に乗っている点を、直線と平行に
適当な距離だけ北西へ移動させると,集合に一致させることができる。
この移動によって,の値は変わらない。
(証明終わり)