両側Dyck路と(3,3,4,5,6,...)型数列の全単射
二次元平面において点から出発し,ステップとを用いて点までゆくパスをサイズの両側Dyck路という.
サイズの両側Dyck路の数はである.
サイズの両側Dyck路のうち,最初のステップがであるものの集合をとする.
である.
次に「型数列」を定義する.
写像が与えられているとする.
自然数の列で条件
- ,
- ならば,
を満たすものを,-型数列,あるいは型数列と呼ぶことにする.
サイズの型数列とは,長さの自然数の列
であって,以下の条件を満たすものである.
- ,
- のとき,.のとき,,
ただし.
サイズの型数列の集合をとする.
例えば,である.
本稿では以下を証明する.
命題
集合と集合の間に全単射が作れる.
またここから,がわかる.
この命題を証明するために,いくつか準備をする.
以下では集合の両側Dyck路をとかく.
このとき集合の定義からである.
両側Dyck路に対し自然数を以下のように定義する.
- のとき,,
- のとき,.
集合を
と定める.
補題
集合と集合の間に全単射が作れる.
証明
集合と集合の間の全単射を作る.
をとる.サイズの両側Dyck路を
- または,かつのとき
- かつのとき
と定める.
すると,上記でまたはを入れた場所は,
パスがという形のときは最初に現れる谷として,また
パスがそれ以外の形のときは最初に現れる頂上として同定可能である.
ゆえにを見ればが復元できるので対応は全単射である.
(証明終わり)
補題
とする.上記で定めた全単射について,
のとき, ,
のとき, ,
が成り立つ.
証明
のときとのときの両方について,
の場合に場合分けして確かめればわかる.
命題の証明
数列をとる.
上記補題により,あるとあるに対してならば,である.よって,
に対応するの元を
と定めることができる.
が可逆なのでこの対応は可逆である.
(証明終わり)