数学の命題示しました

主に組合せ論について,読んだ本で出てきたことや,考えたことを書きます.

線分上に右詰めで並べる母関数の行列式表示

 1\times長さ nの場所の上に,以下の二種類のタイル

  •  1\times長さ 1のタイル
  •  1\times長さ 2のタイル

右詰めで 0個以上敷くことを考える.
このような敷き方の集合を \mathcal{T}_nとかく.
(記事下に \mathcal{T}_3の例があるのでそれも参照せよ.)

 f(n)をフィボナッチ数とすると,このような敷き方は
 \displaystyle\sum_{i=0}^nf(n)
通りである.ここではより精密に数える.

タイルを置く場所に 0,\ldots,nの数直線を書き,

  •  [k,k+1 ]の場所に置かれた長さ 1のタイルの重みは -a_{k,k},
  •  [k,k+2 ]の場所に置かれた長さ 2のタイルの重みは -a_{k,k+1}

とする.
タイルの敷き方 \omegaの重み w(\omega)は,含まれるタイルの重みの積によって定める.
タイルの敷き方 \omegaに対して,タイルの長さの和を |\omega|とかく.

以下は, n=9のときのタイルの敷き方 \omega\in\mathcal{T}_nとその重み w(\omega)t^{|\omega|}の例.


この重みに関する母関数
 \displaystyle\sum_{\omega\in \mathcal{T}_n}w(\omega)t^{|\omega|}
は以下のような行列式表示を持つ.
  -\det\left[ \begin {array}{ccccccc} a_{{0,0}}t-1&a_{{0,1}}{t}^{2}-1&-1&-1&-1&-1&-1\\ 1&a_{{1,1}}t&a_{{1,2}}{t}^{2}&0&0&0&0\\0&1&a_{{2,2}}t&a_{{2,3}}{t}^{2}&0&0&0\\ 0&0&1&a_{{3,3}}t&a_{{3,4}}{t}^{2}&0&0\\ 0&0&0&1&a_{{4,4}}t&a_{{4,5}}{t}^{2}&0\\ 0&0&0&0&1&a_{{5,5}}t&a_{{5,6}}{t}^{2}\\ 0&0&0&0&0&1&a_{{6,6}}t\end {array} \right]

(これは, n=7のときの例.)


以下は, n=3のときのこの主張の例.